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日本のお祭りで「獅子舞」というものがあります。
私が飛騨高山にお嫁に来た時に、初めて獅子舞というものを見ました。
町内のお祭りで、獅子舞を披露する為に、一般の男性たちが数日前から集まって獅子舞の練習をします。
夜遅くまで、何日も何日も笛の音が聞こえてきます。
そして、大人たちの獅子舞に憧れて、子どもたちが布を被って真似て踊っていました。
そんな代々と続いている獅子舞ですが、私はその意味や歴史を全く知りませんでした。
・獅子舞ってそもそも何の動物?
・獅子に頭を噛んでもらう意味は?
・なんの為の祭り?
始めは意味も分からず眺めていました。
飛騨高山6年目にして、お祭りの意味を少しずつ学んで、子ども達にお話ししてあげられる様にまでなりました。
この記事では、獅子舞の意味や由来、歴史、ご紹介し、獅子舞の魅力を存分にお伝えして行きます。
獅子舞ってどんな意味があるの?
日本での獅子舞とは、“獅子”の頭を被り唐草模様の胴幕(かや)を付け、祭囃子に合わせて舞い踊る民俗芸能です。
一般的には数人が胴幕の中に入って、先頭の人が獅子頭を大きく動かすようなイメージがあります。
演じ方は数千以上にものぼり、日本の民俗芸能の中でも最も種類が多いといわれています。
もともと悪魔払いや疫病退治を願って舞われたという背景があり、現在でも厄払いの想いが込められています。
その歴史から、獅子舞はお祭りなど縁起の良い日に舞われることが多く、幸せを招くものだと考えられています。
また、「人の頭を噛むことで、その人についた邪気を食べる」という言い伝えがあります。
子供は獅子舞に頭を噛まれると学力の向上や無病息災、健やかな成長に繋がると信じられています。
初詣の際などに獅子舞が舞われていると、演舞の合間に頭を噛んでもらっているような光景を見ることができますが、
これは「お正月に頭を噛まれるとその1年が元気に過ごせる」と考えられている為です。
「噛みつく」という言葉が「神が付く」を連想させる、という語呂合わせからも縁起が良いとされています。
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獅子舞の始まりと歴史について
獅子舞発祥の地インドでは、ライオンは“聖獣”
古来、インドの遊牧民の間では、力の強いライオンは神秘的な力を持つ“聖獣”として崇められていました。
やがて、偶像化されたライオンは宗教行事としてのモデルとなり、獅子舞の原型が生まれることとなったのです。
その後、獅子舞はインドと交易が盛んだったチベットや中国、韓国へと伝わり、それぞれの地域に合わせて独自の進化を遂げていきました。
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獅子舞は1400年以上前日本に伝えられた
朝鮮半島から仏教とともに“伎楽”が伝来した飛鳥時代、獅子舞は日本に伝わったといわれています。
伎楽とは、楽器演奏に合わせて独特の面をつけて演じられる無言劇で、その演目のはじめに舞台の邪気を払うことを目的に「獅子舞」が舞われていました。
これが日本の獅子舞の起源になったと言われています。
その後、現在の三重県伊勢でお正月に獅子舞が舞われるようになります。(室町時代ごろ)
当時は飢饉や疫病などを追い払う目的があり、厄払いとしての獅子舞文化が広まっていきました。
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“お伊勢参り”で全国区になった獅子舞
江戸時代、伊勢神宮をお参りする「お伊勢参り」が大流行します。
伊勢への旅は「一生に一度で良いから必ず果たしたい」という憧れのものでした。
しかし、現在ほど交通網が発達しておらず、お伊勢参りを果たすことができない人も多い中で活躍したのが「伊勢大神楽」と呼ばれる芸能集団です。
伊勢大神楽は全国を巡り、伊勢神宮のお札を配っていました。そのお札がお伊勢参りと同等のご利益を得られるとして獅子舞を踊ったのがきっかけで、地方でも獅子舞が知られることとなりました。
そして、現在の全国規模の民俗芸能へと成長していったのです。
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地域の伝統を受け継ぎ、人々の幸せを願う獅子舞
この様に、獅子舞の歴史は古く、古来インドの聖獣が始まりでした。
現在は日本で獅子舞が全国各地で行われ、その演者の方々は普段は働いていたり、学校に通っていたりする一般の方々です。
親が演じる姿を見て、子もそれを見て真似、延々と繋がって来ました。
獅子舞には、人々が健康で幸せである様にと願いが込められ、代々受け継がれ続けています。
獅子舞に込められた願いを知る程、愛のバトンを渡しているようで、獅子舞の素晴らしさを感じます。
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