「つらいことは、いつか幸せに変わります」――休養を経て鈴木奈々が語る、心への寄り添い方
底抜けに明るいバラエティークイーンのイメージとは裏腹に、鈴木奈々(35)が心に不調を覚えて休養したのは2021年夏。
3カ月後に活動を再開し、今年4月には2年前に離婚していたことを公表した。
「つらいことはずっとは続かない。季節が変わるようにいつか幸せに変わる」。
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鈴木奈々の夢が不思議なほどかなう理由
鈴木奈々さんにはあまり人に話していない秘密があるそう。
それは、幼い頃からずっとノートに夢を書き綴っており、そこに記した夢は「不思議なほど、ほとんどかなってきた」。
「高校生の頃、『Popteen』のモデルにどうしてもなりたくて。『なりたい』じゃなくて『なります』。『スカウトされたい』って書いたんです。3年生のとき、追っかけをしていた看板モデル・益若つばさちゃんの握手会に行ったら、本人がスカウトしてくれました(笑)」
自動車業界で働く父の役に立ちたくて『クルマ関連の広告の仕事がほしい』と書いたら、「父が働いている会社が私のポスターやノボリで埋め尽くされた」こともある。
ノートの夢がかなう「奇跡の理由」。
「書いたことを口に出すんですよ。それをどこかで聞きつけた誰かが、じゃあやってみる?とチャンスをくれるんです。
もう一つはノートに『自分“以外”の人の夢』も書く。例えばお母さんが病気を患った友だちから相談されたら、『治療がうまくいって絶対に長生きできますように』と書き込みます。
人は一人では生きていけないし、自分のことだけ考えていては、絶対に幸せになれないです。そのことを、休養中に寄り添ってくれた先輩方や仲間たちに教えてもらいました。
周りのみんなに、幸せになってほしいと思う気持ちが、弱った自分の心を強くしてくれることもある。それが巡り巡って、夢を引き寄せているのかもと考えたりします」
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◯鈴木奈々
1988年生まれ、茨城県出身。2007年からティーン向けファッション誌『Popteen』のモデルとして5年間活躍。2011年に「踊る!さんま御殿‼」でテレビ初登場。現在はバラエティータレントとして活躍している。
「無理して明るいキャラを演じているわけではない」
「『奈々ちゃんってホントはどんな子なの?』って、マネージャーさんがよく聞かれるそうなんです。でも事務所の戦略で無理して明るいキャラを演じているわけでは全然なく、裏も表も、素でずっとこんな感じ。2回同じことを言ってしまうのもわざとじゃなく、本当にクセなんですよ(笑)」
狭い会議室で鈴木は元気いっぱいしゃべる。「ごめんなさい、私、声大きいですよね」と謝りつつ、さらにテンションを上げた。
「ネットで『朝からうるさい』っていうコメントを見たときは、泣いちゃうくらい悲しくて。静かにしゃべる練習をしました。
ゲストに呼んでいただいた(朝の情報番組の)『スッキリ』で、練習どおりおとなしくしてたら、MCの加藤さん(加藤浩次)に秒でバレちゃって。『悪口を書いてる人なんて、ごく一部なんだから』って励まされて、CM明けに元に戻したこともありました」
「でも芸能界って、興味を持ってもらえることが何よりもありがたいんです。だからマイナスなコメントを見ても、そこはめっちゃプラスに捉えるようにしてます」
生粋のポジティブさと、高いプロ意識が、彼女をバラエティークイーンたらしめてきた。
「私のメンタル無敵」と自覚していただけに、2年前の休養時は、本人が一番驚いたという。
「当時はやっぱり悩んでいた……のかな。30代になって、新しい子がどんどん出てきて。『あ、私がずっと座っていた番組の席が、変わってる』と思わずチャンネルを変えたこともありましたね」
コロナ禍に突入すると、「私みたいなガヤガヤ系より、トーク力抜群の子たちが求められる時代なのかも」。布団に入ると考えてしまって、眠れなくなった。
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理想の男性は「顔面輪ゴムで踊る私を受け止めてくれる人」
鈴木がいま一番したいことは「恋」だという。今年の4月には、7年連れ添った夫と離婚していた事実を2年越しに公表。考え抜いた末、一歩前へ踏み出すと決めた。
意外にも恋には奥手で、過去の恋愛はすべて相手から告白されて始まった。
「男の人に『好き』と言われたら『好き』になっちゃう簡単な人間なんです(笑)。次の恋は、自分から好きになった人と付き合ってみたい」
理想のパートナー像はハッキリしている。
「私は人を笑わせるのが大好きなので、彼の前で、顔に輪ゴムをはめる『顔面輪ゴム』をしたり、変なダンスを踊ったりします。それをおおらかに受け止めてくれて、なんなら一緒にやってくれる。少年のような大人の男性がいいですね」
この日の夜は、ティーン向けファッション誌 『Popteen』の元モデル仲間たちと鍋会の予定だと教えてくれた。
「みんなと楽しく交流するなかで、素敵な出会いにもつながるといいな」
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加藤茶からの「変わらなくていいよ。」 後輩に対して焦りなくなった今
助けを求めて、大親友の加藤綾菜に会った。
「おうちに遊びにいくと、必ず(夫の)加藤茶さんも一緒になって相談に乗ってくれるんです。茶さんは、『自分が壊れる前に、今すぐ休みな。我慢しなくていいんだよ』と寄り添ってくれました。戻る席があるのか考えたら、“休み”は恐怖でしかなかった。でも休んでもいいんだ、“いつでも明るい私”じゃなくていいんだって思えたら、すごく楽になれたんです」
「私、このままの仕事のスタイルでいいのかな?」と加藤茶に悩みも打ち明けた。
「茶さんは、『奈々ちゃん、自分に飽きちゃだめだよ』って言ったんです。変わらなくていいよって。何十年もおなじみの芸で愛されてきた茶さんの言葉は、重みが違いましたね」
出川哲朗も「俺もずっと変わってないでしょう」と励ましてくれた。「自分を貫けば、絶対(番組の)スタッフさんたちも見ていてくれるから」と。
「私、休養中にお笑い番組を見てめっちゃ笑ったんですよ。やばい、笑うってこんなにメンタルが元気になるの?と驚きでした。だから私はこれからも今まで通り、バラエティー番組で体を張って、見ている人を全力で元気にしていきたいって思ったんです」
新しい後輩がどんどん出てくることについては。
「昔だったら、人と比べてしまったり、『このままじゃだめだな』とか思ったりしてましたけど、今は自分らしくいこうっていう感じに変わったなって。だから後輩に対しても焦りはないですね」
仕事に対して、もう迷いはなくなった。
「心の痛みを根っこから理解できるようになった」
芸能界でもメンタルヘルスに不調を抱える人は少なくない、と鈴木は言う。ネットで批判的なコメントを嫌でも読めてしまう現代はなおさらだ。
「離婚を発表したときは、ネットの書き込みを見るのがすごく怖かった。でも、ふたを開けてみると応援コメントも多くて。そんなケースもあるから、私はどうしてもエゴサーチをやめられないのかも。中傷コメントも目にするけど、最後は必ず好意的なコメントを読んで終わるようにして、自分を守ってます。
だけど、深く傷ついてしまうタレントさんもやっぱり多いですよね。心が不調でもほとんどの方が、それを隠して仕事を続けている印象です」
鈴木は、休養時の経験をできるだけオープンに話していこうと考えている。
「『しんどいのは、アナタだけじゃないよ』って伝えたいんですよ。復帰後に『実は私も(心が)病んでいて……』とそっと打ち明けてくれる方が増えたこともあって」
「私はずっと、人の心の痛みを分かっているようで、分かっていなかったんだと思います。心の痛みを根っこから理解できるようになったという意味では、逆に休養してよかったです。つらい経験って無駄じゃないんです」
後輩や友人から相談を受けるときは、絶対に相手を否定しないのがポリシーだ。その人の問題点に気づいても、まずは気持ちに共感する。その後にアドバイスを挟んで、最後も共感で終わる「サンドイッチ方式のコミュニケーション」を心がけている。
「つらいことって、絶対ずっとは続かない。季節が変わるように、いつか幸せに変わりますよって、伝えたいです」
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